もったいない

御歳108歳の松井セイさんの歌帖『もったいない』です。
最年長の著者としてギネスに載せられるかも、らしい(申請しないそうですが)。

年上の方に「もったいない」と言われるとなにやら叱られているような気分になってしまうのですが、この「もったいない」はその「もったいない」ではなく。
「こいとさん」と呼ばれていたので入学まで本名を知らなかったというほどのお嬢様であったのに、早くに戦争でご主人を亡くされお子さんたちを育て上げ……といった人生が歌の中に窺い知れます。
今は「私は幸せ」が口癖で、本の題字は息子さんが、誕生花フジバカマの絵はお孫さんが描かれ、と皆に愛される著者、それに関われた私も福を分けていただいたような気分になりました。
きれいな本ができあがってよかったです。

  • 松井セイ/花伝社
  • 四六版上製/カバーまわり
  • 非売品